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本研究プログラムにおける中心研究者(山海嘉之)が『サイバニクス』技術を駆使した最先端人支援技術研究を推進する上で必要な研究テーマをそれぞれの分野の先生に加わっていただき、推進しています。

ロボットスーツHALによる次世代ニューロリハビリテーションの臨床応用

坂根 正孝

医学医療系 准教授 (整形外科、CREILセンター長)

研究協力者

落合 直之、原田 義則、江口 清、橋本 幸一、中田 由夫、河本 浩明、上林 清孝、松下 明、有安 諒平、久保田 茂希、山脇 香奈子、市川 安希

我々に与えられたミッションは、ロボットスーツHALによる次世代ニューロリハビリテーションの臨床応用を目指し、HALリハビリテーションの実行可能性および有効性を検証することである。2010年1月、我々はHALリハビリテーションに関するpilot studyとして、「運動器不安定症患者およびその基礎疾患を有する患者に対するHybrid Assistive Limb(HAL)装着による運動機能改善効果の探索的研究」と題した臨床試験計画をUMIN CTRに登録した(UMIN000002969)。当初、HALの動作支援に伴う一時的な運動機能(バランス能力、歩行能力)の改善効果を定量的に評価すること(目的1)と、HALを利用したリハビリテーションの実行可能性の検討(目的2)を同時並行的に実施していたが、より早期にHALリハビリテーションの有効性を検証する臨床試験を開始すべく、目的2に集中して取り組む体制を、筑波大学附属病院リハビリテーション部および健康医科学イノベーション棟にて整備してきた。対象とした患者数は、2010年度は18例、2011年度は29例であり、現在までに50例を超える患者が試験に参加している。対象となっている患者の基礎疾患は、脊髄損傷、外傷性脳損傷、脳血管障害、筋疾患等であり、多くの症例で歩行支援が可能であることを確認し、機能改善効果も認めている。おこなっているリハビリテーションは1回90分、週2回、8週間で計16回のプログラムであり、リハビリテーションの前後に、10 m歩行テストによる歩行速度、歩数、歩行率を評価し、TUG(timed up and go)テスト、バランス能力を評価するFBS(functional balance scale)の他、さまざまな検査項目を実施している。38例までの結果をまとめて分析したところ、32例がすべてのHALリハビリテーションを完遂し、10 m歩行テストによる歩行速度、歩数、歩行率のすべてで有意な改善を認めた(Kubota et al., submitted)。脳血管疾患患者10名に限った検討では、10 m歩行テストの歩行速度および歩行率で有意な改善を認め(Kawamoto et al., submitted)、脊髄損傷患者7名に限った検討でも、10 m歩行テストにおける歩行率で有意な改善を認めた(Kamibayashi et al., submitted)。今後は、これらのpilot studyの結果を基に、従来のリハビリテーションプログラムに対するHALリハビリテーションの優越性を検証するランダム化比較試験の臨床研究プロトコルを作成し、実施する予定である。

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