HOME > 研究活動 > 日常生活支援を目的としたHALの実用化に向けた研究

本研究プログラムにおける中心研究者(山海嘉之)が『サイバニクス』技術を駆使した最先端人支援技術研究を推進する上で必要な研究テーマをそれぞれの分野の先生に加わっていただき、推進しています。

日常生活支援を目的としたHALの実用化に向けた研究

川口孝泰

医学医療系 教授

研究協力者

浅野美礼(医学医療系 准教授)、本村美和(人間総合科学研究科 看護科学専攻博士後期課程)、佐藤政枝(首都大学東京 准教授)、古賀紀江(前橋工科大学 准教授)

1.日常生活場面で使用する際の安全性・危険回避のための基礎研究

HALの日常生活支援ロボットとしての基礎研究を、以下の3つの方向性から実施。

1) Effects of readiness on circulatory regulation when standing up (Journal of Rehabilitation Medicine投稿中)

20cmの椅子に座り、突然に立たせた場合と、あらかじめカウントダウンして立たせた場合の比較では、事前に準備しておくことで、意識系に働きかけ、急激な血圧の変化の抑制され、脳血流量の低下及び、交感神経系の反応が緩やかとなり、循環を制御する重要な役割を担っていることが示唆された。自分の意思で立つことの重要性を明らかにした。

2) Evaluating psychological stress by nonlinear dynamical analysis of finger plethysmography(International Journal of Psychophysiology 査読中)

パソコンを用いたカラー・ワード・コンフリクトテスト(CWT)で心理的混乱状態にした際、その負荷量の変化によって指先からの血流量の明らかな低下がみられ、その間の変化をカオス解析およびゆらぎ解析において心理状態の変化を捉えることができた。このことから日常生活でのHAL装着者の危機回避のツールとして使用できる可能性が示唆できた。

3) HAL (Hybrid Assistive Limb) 装着時における生活動作の適応過程に関する研究
―QOL評価要素の抽出と住宅設計に向けた提案―

ロボットスーツHAL装着時における生活動作とその適応過程の特性を明らかにすることで、HALを装着して生活する対象者のQOL評価および居住環境についての主要な要素を提案することを目的とした。

(1)生活場面の設定
日本工業規格の区分「A(土木及び建築)」のモデュールを参考に、玄関、廊下、トイレ、洗面所、台所、階段昇降、段差の空間を再現する。

(2)分析内容

  1. 動作特性に関する分析:VTR撮影された動画を用いて、立体高次局所自己相関特徴法(cube higher auto correlation:CHLAC)によるHAL装着時動作の適応過程について分析・評価する。
  2. 空間量に関する分析:VTR撮影された動画を元にHAL装着時の生活動作に必要な空間量を把握する。
  3. バイタルサインの分析:全身状態の把握と動作前後の変化を把握する。また指尖容積脈波による、非線形時系列データの分析による心理的負荷の解析を行う。
  4. HAL装着者の適応過程およびQOLと居住環境に関する評価要素の質的分析:質問紙表およびインタビューでの逐語録を元に、HAL装着時の適応過程、装着性・操作性、QOL評価、環境調整等に必要な要素を抽出する。

2.HALで暮らすための新たな住宅設計の提案

立つ(8H)、座る(8H)、立って移動作業する(8H)、計24Hを実現するため、「HALで暮らす家」を設計し、具体的な生活支援ロボットとしての可能性について提案する。寝たきりゼロから、座りきりゼロ!そして移動は、可能な限り自然歩行に近い歩容で!いきいき長生き住宅の新たな未来型住宅の在り方の提案を行う。HAL使用時のQOL/ADLを配慮した暮らしを、具現化するためのCG作成に取り組んでいる。

このページの上へ

研究活動